【本棚】某日ストレイキャットのキッチンにて

彩咲・かなで(春宵夢幻・b42588)さんをお借りしています。(背後の方に了承済)

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 かちゃかちゃ。かちゃかちゃ。生クリームを泡立てる音がキッチンに規則正しく響いている。
「かなでさーん。手が空いていたら冷蔵庫からイチゴ出してもらってもいいですかー?」
「はーい」
 悠の言葉を受けてかなでがぱたぱたと冷蔵庫へ駆けていく。冷蔵庫の中にあるのはケーキに乗せるために冷やしてあった宝石のようなイチゴたち。
「悠先輩、これ「がぅー!」ひゃぁあ!?」
 かなでが持つ美味しそうなイチゴを狙って食いしん坊のネコ科…じゃなかったケルベロスベビーのアルファが飛び掛かった。咄嗟に屈んでイチゴを死守するかなで。
「こらアル!邪魔しないの!」
 再び飛び掛かろうとするアルをしかりつける悠。その言葉にビクッと動きを止めるアルファ。そんなアルファの頭を一撫でしてかなでは言う。
「残ったらアルくんにもあげますね」
「がぅ♪」
 気持ち良さげに撫でられつつ、お座り待機するアルファ。その姿を微笑ましく思いながらかなでは悠の元へイチゴを届ける。
「さぁー、なんとか形になりそうですかねー?」
「はい♪」
 生クリームが入ったボウルをテーブルに置きながら材料を指差し確認する悠。自分たちが食べる用とはいえ、ワンホールのケーキとなると結構な量になる。
「よし、かなでさん生クリームは任せました!」
「えっ!私ですか!?」
 いきなりの無茶振りに動揺しつつ、しかしボウルに手を伸ばすかなでに次なる魔の手が。
「にゃ~!」
「きゃぁ!」
 甘い匂いに惹かれたのかボウルに飛び込む白猫ブラン。驚いたにかなでが尻餅をついた。さらにブランが飛び込んだ勢いでボウルがひっくりかえってかなでの体に生クリームがべったり。
「ブーラーン!!」
 かなでの体に飛び移ったブランを悠ががしっと猫掴み。だらーんと伸びるブランをさらにお説教する悠。
「かなでさん大丈夫?」
「がぅー?」
 悠が心配してかなでに顔を向けた時にはアルファが心配そうな声をあげながら生クリームをぺろぺろ。
「あ、はい。大丈夫です。アルくんもありがとう」
「いやあの…実はその子、生クリーム食べてるだけ…」
「がぅ」
 バレた。そんな感じの鳴き声である。さらに生クリームを食べようとして猫たちがかなでに迫る。
「こ・らー!」
 悠がしかりつけると蜘蛛の巣を散らすように散開していく猫たち。
「まったくもう」
 起き上がるかなでに手を貸しながら悠はぷりぷりと怒っている。
「あんまりあげると体に悪いですものね」
「言うこと聞かない子ばっかりなんですけどね…はふ」
 ちなみにアルはゴーストなので無問題。そのアルに生クリーム処理を任せて、かなでは着替える。
「さ、気を取り直して頑張りましょう」
「はいっ」
 そんな感じでケーキが完成するのはもう少し後のこと。

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